母の4年間の施設生活で学んだこと、そうしておくべきだったことを綴ってみたいと思います。まずは入居前の注意点です。
●施設見学は最低でも3回。時間を変えていくべき
施設スタッフは事前に見学者が訪問する時間を知っています。だから訪問時の愛想はすこぶる良いはずです。入居したら愛想どころではなくなってました(それだけ余裕がありません)。時間を変えて、あえて施設が忙しい時間帯(例えば昼食の前後)も訪問してみてください。
●施設の見学は入居者目線でする
綺麗なパンフレットや外観、施設スタッフの説明に惑わされず、必ず入居者(私の場合は母)の目線で部屋の使い勝手や導線を確認します。母が入居した施設の手洗い場は設計ミスにより車いすを乗ったままで蛇口に手が届きませんでした。車いすが洗い場の障害物により前に進めないからでした。結局この延長ハンドルを付けてなんとかなりました。
●スタッフ同士のコミュニケーションを観察する
現場のヘルパーさん同士がもめていないか、スタッフの表情に余裕があるかを観察しましょう。私が見学したときは陰でヘルパーさん同士が言い争ってました。運営側の施設長や事務所スタッフではなく、入居者に直接触れる現場のヘルパーさんの表情をよく観察しましょう。
●24時間の見守りはあり得ないことを知る
どこの施設パンフレットでも安心24時間の見守りと書いてますが、家族側が期待する24時間看護と施設での実際の24時間看護には相当の乖離があります。特に夜間はどこの施設も最低人数のヘルパーさんしかいません(看護師の常駐も夕方までが多い)。部屋の緊急呼び出しボタンを押しても無視されることも珍しくない。そもそも緊急ボタンは命にかかわることの時だけ押されるべきもので、雑用をお願いする呼び鈴ではないからです。オムツ汚染で別途が汚れても翌朝まで放置されることは普通にあります。
●施設での快適度は現場のヘルパーさん次第
どんなに安心感のある言葉がパンフレットに書かれていても、どんなに施設が新築で素晴らしい設備があったとしても、現場のヘルパーさんが親身に動いてくれなければ何も機能しません。介護業界は離職率、転職率が高い職場です。入居を検討している施設がありましたら「●●(施設名) 求人」と検索して求人広告の頻度をチェックしましょう。一定期間に求人率があまりに高いなら要注意です。
●施設に介護のノウハウが蓄積されているか
母が入居していたサ高住施設は大きなチェーン店のひとつ、築浅でデイサービス併設の施設でした。戸数も多いのでヘルパーさんの数も多かったです。しかし以前に母は「ヘルパーさんがコロコロ変わるので何回も同じ説明をしないといけない」と嘆いていました。言い換えると、ヘルパーさんの転職が多い施設ほど、施設で介護ノウハウが蓄積されないことを意味します。
実際、母の認知症が悪化し始めても誰も気づかず(気にしなかったのか?)、母の心身の変化をくみ取ってくれた人は誰もいませんでした。逆に、私がネットで調べて説明して、問題を投げかけてようやく気付いたぐらいです。
介護する側、される側も人。親身になってくれるヘルパーさん、看護師さんをひとりでも見つけられたら安心できます。