令和の日に入院した母の旅立ちから今日まで

令和元年5月1日に母が独居から緊急入院。令和5年6月20日に安らかな顔立ちで旅立ちました。コロナ前の施設探し、生活保護申請、コロナ禍での入居生活で感じたこと、反省点をこれからも大切な人を支え続ける人の参考になればと思いブログを続けてます

高齢者施設に入居したあとのチェックポイント

 サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は軽度の介護、自立支援を目的としているので基本的に看取りは対応していません。看取り対応を謳うところもありますが、よほど看護体制が充実していない限り、母の施設での経験からいえば満足いく対応は到底無理だと思います。

 コロナ前の最初の2年間は本人の気力も体力も十分にあったので軽度の介護対応で満足できていましたが、コロナ禍では認知症ケアが十分にできていなかったことで他の入居者の具合が相当に悪くなった人も多いです。特に気になったことを記します。

①起こり得るべく発生した施設クラスタ

外部からの訪問を制限していたにもかかわらず施設内クラスターが発生。ワクチン接種をしてたとしてもマスクを着けていない事務所スタッフが多くいました。私が施設に入ってから急にマスクをする人もいたり。よくわからないのが、母の個室に入ることはダメなのに食堂では自由に会えるという謎の対策。個室にいたほうが外部接触がなく安全です。不特定多数がいる食堂のほうがよほど危険なはず。

②コロナ対策という名の不作為

コロナ禍では人との接触感染が恐れられていたので最低限の接触で予防することは理解できます。しかし、その名目で必要以上に入居者同士の交流、レクリエーションの停止、見守りや声がけ頻度の低下が認知症の悪化を招いたのは間違いありません。母もいくどとなく電話でオヤツの停止、カラオケの停止、黙食、友達との交流の停止など軟禁状態の不満を言ってきました。

私は高齢者施設でボランティア活動をしていますが、コロナ禍でも普段の生活様式を維持する努力をしている施設をたくさん見てきました。そういった所と比べると母の施設は明らかな手抜きと言わざるを得ません。経費削減、労力の削減のためのコロナという言い訳と思いました。入院直前に主治医の先生からも同じ指摘がありました。
仕方がなかったとはいえ母には本当に申し訳ないです。

認知症対応ノウハウの欠如

母の室内にはカメラを設置していました。母の見守りが一番の目的ですが、施設側とのトラブル防止、監視しているというけん制の意味もありました。そこで見たのが、本人が嫌がるからと室内の清掃をしない、着替えをさせない、風呂に入れない、ゴミを収集しない、母の認知症由来の行動に対する暴言など・・認知症患者への対応ノウハウが本当にあるのか疑問です。母は床ずれの悪化で最終的に入院することになり、そこまでの悪化を見過ごされてきたことが本当に悔しいです。なぜ毎日車いすにずっと乗りたがるのか・・背中やお尻が苦しいからベットで寝たがらない・・母のSOSに気づかなかった私の責任はもちろんです。しかしプロの皆さんならもう少し早く気づけたはず。